いのちの設計図
ゲノムってなに?
あなたの体の中には、「あなたの体のつくりかた」が書いてある本が入っています。この本をゲノムといいます。(本1冊=ゲノム。体の中では「染色体」というひものたばのひとそろいです)
本は、体の中にある
体は、目に見えないほど小さな「つぶ」(細胞)がたくさん集まってできています。ほとんどのつぶの中に、同じ本が入っています。
本は、2冊セット
あなたの本は、お父さんから1冊、お母さんから1冊もらった、2冊セット(二倍体:染色体のひとそろいを2つ持っていること)です。だから、顔や体つきが親に似るのです。
生き物ごとに、ちがう本
人の本からは人が、ムツゴロウの本からはムツゴロウが生まれます。ムツゴロウも、親から1冊ずつもらった2冊セットです。
三倍体ってなに?
本が3冊セット(染色体のひとそろいを3つ)の生き物を「三倍体」といいます。ギンブナという魚のように、自然の中にもいます。カキや魚の養殖では、人が手を加えてつくっています。
人がつくった三倍体は、たいてい子どもができません。でも、ぜったいではなく、卵や精子をつくるものも、わずかにいます。
海の本は、まざると戻せない
人が増やした生き物や、よその海の生き物を海に放すと、有明海に昔からいる生き物の本と、まざってしまうおそれがあります。いちどまざった本を、もとにもどすのは、とてもむずかしいのです。
研究会がこれからすること
研究会は、いまの有明海の生き物から本(DNA:本の文字が書かれている物質)を取り出して、冷凍してのこしていきます。もし本が変わってしまっても、もとの本がどうだったかを、未来の人が調べられるようにするためです。DNAの保存について →
もっとくわしく知りたい人へ
このページのたとえと、本当のもの
| 本1冊 | ゲノム(染色体のひとそろい)。人では23本の染色体で1そろい |
|---|---|
| 本の章 | 染色体 |
| 章の中の文 | 遺伝子 |
| 文字 | DNAの4つの文字(A・T・G・C) |
| 2冊セット | 二倍体(父から1そろい・母から1そろい。人では23本×2=46本) |
| 3冊セット | 三倍体(染色体のそろいが3つ) |
| 小さなつぶ | 細胞 |
- DNA
- 本の文字が書かれている、細いひものような物質です。文字は A・T・G・C の4種類だけで、その並び方が情報になっています。
- 遺伝子
- 本の中の、ひとつひとつのまとまりです。体の特徴などに関わります。
- ゲノム
- その生き物が持っている遺伝情報のぜんぶです。このページの「本1冊」にあたります。多くの生き物は、親から1冊ずつ受け取った2冊セット(二倍体)を持っています。
- 三倍体
- 本(染色体のひとそろい)を3冊セット持つ生き物です。自然にも、ギンブナのように三倍体で、雌だけでふえる魚がいます。養殖のカキや魚で、温度処理などでつくられます。水産庁は、三倍体が生態系に影響を与えた事例は報告されていないとしています。宮城県の指針は、三倍体カキの一部が卵や精子をつくることから、二倍体と分けて育てることなどを求めています。
- 放流と遺伝的多様性
- 人工的に育てた種苗を放すと、その海にもともといる集団の遺伝的なまとまりや多様性に影響するおそれがあるとして、水産庁などが影響を減らすための指針を出しています。
体は本だけで決まるわけではありません。どこで育ち、何を食べ、どんな水の中で暮らしたかでも変わります。